最近よく聞く「ビーン トゥ バー チョコレート」って何? 芦屋のショコラティエにその魅力を聞いてみた

最近よく聞く「ビーン トゥ バー チョコレート」って何? 芦屋のショコラティエにその魅力を聞いてみた

バレンタインデーも近づき、各百貨店でもバレンタインイベントが始まりましたが、近年、出店店舗の中に「ビーントゥバーチョコレート」と書かれているお店があるなーと思われたことはないですか?
そもそも「ビーントゥバーチョコレート」ってなんだろう、ということで、今回はJR芦屋駅前にある「Bean to barチョコレート専門店 ICHIJI(イチジ)」のオーナーショコラティエにその魅力をお聞きしてきましたので、ご紹介したいと思います。

【チョコレートの歴史】

まず最初にチョコレートの歴史からご紹介します。
原料であるカカオ豆は紀元前から栽培されていたことがわかっています。
マヤ文明の象形文字にはカカオを表すものがあり、飲料の他に貨幣としても利用されるほど貴重だったようです。
17世紀にはヨーロッパへ渡りカカオ飲料が大流行。
19世紀には現在の固形チョコレートがイギリスで発明され、その後チョコレートは工場で大量生産されるようになりました。

【Bean to barチョコレート専門店 ICHIJI(イチジ)】

工場での大量生産に対し、「ビーントゥバーチョコレート」は、ショコラティエが自らカカオ豆(ビーン)を仕入れ、選別・焙煎・摩砕・調合・成形……と、板チョコ(バー)になるまでの全ての工程を一貫して行い、作られるチョコレートのことです。
2007年にニューヨークでビーントゥバーチョコレートのショップが話題になり、アメリカ全土・ヨーロッパへ流行が拡大していきました。
その波は日本にも広がり、現在関西でもビーントゥバーチョコレートのお店が増えつつあります。
そんなお店の一つ、「Bean to barチョコレート専門店 ICHIJI(イチジ)」は、2016年9月に芦屋にオープンしました。
オーナーの伊知地 恭兵さんは、以前チョコレートとは全く別の分野でお仕事をされていました。
ある日、東京の有名チョコレートショップの「甘くない木の香りがする」ようなビーントゥバーチョコレートに出会い、カカオ豆の種類の違いによってその風味が変わることに衝撃を受け、なんと自ら家でカカオ豆をすり鉢で擦って研究を始め、お店をオープンするまでに至ったそう。微妙な配合や焙煎時間などの違い、またその日の天候によっても味や食感が変わってくるため、お店をオープンした今でも毎日研究し続けているそうです。

【ビーントゥバーチョコレートの製造工程】

仕入れたカカオ豆を形や大きさ、状態を見て一つひとつ手作業で選別して、その豆の原産地や個性に合わせて焙煎。
焙煎した豆を粗く砕き、風の力を使って実の部分と種皮に分別、風力では取り切れない種皮を、手作業で除去。
さらに調温で溶けにくく艶のあるチョコレートに仕上げ、型にチョコレート生地を流し込み気泡を抜きます。
最後に型から外したチョコレートを密封し箱詰めして完成です。
このすべての工程を自社工房で製造・管理されています。

そうして作られるチョコレートの種類は全部で12種類。全てカカオ分は72%以上で、厳選された豆の4つの原産地(ガーナ・タンザニア・トリニダードトバゴ・ハイチ)と、3つのテイスト(CONCHE・CRUNCHY・BITTER)から選ぶことができます。
「ガーナ」は完熟した果物のような甘みとナッツのような香ばしさ、「タンザニア」はフルーティーで程よい酸味などの特徴があります。
そこにカカオニブを加えたクランチーな食感や、カカオ分85%のビターな味など、テイストの違いで、さらにチョコレートの奥深さを味わうことができます。
常設販売されているチョコレートは全て、ミルクやバター・香料は一切使わず、カカオ豆と有機キビ砂糖のみで作られています。
お話しされるオーナーからは、「カカオ豆本来の味わいや香りをお届けしたい」というチョコレートに対する熱い思いが伝わってきました。

【バレンタインにオススメ】

大人の男性にプレゼントするなら、ギフトボックス{TAMATEBAKO」。チョコレートにプリザーブドフラワーやシャンパン、葉巻がセットされています。こちらは公式オンラインショップから買う事ができます。

苦いチョコレートは苦手、という方もいらっしゃると思います。
そんな方のために、現在開催中のバレンタインイベントでは初めてミルクを使ったダークミルクチョコレートを販売されているそうです。
比較的カカオ分が低めのチョコレートやチョコサンドクッキーなどは、苦味のあるチョコレートが苦手な方にもおすすめできます。
試食したマダガスカルアケッソンは、まるでベリーを入れているかのような甘酸っぱさ。ダークミルクチョコレートは、苦味がマイルドでほんのりした甘さは今までに食べたことのない味わいでした。

芦屋の店舗の他、阪急百貨店の神戸店・西宮店、大丸神戸店・芦屋店、なんば高島屋などのバレンタインイベントで出店、販売されています。
特に西宮阪急では、地元兵庫県の生産者とコラボしたチョコレートやソフトクリームを扱っています。西脇のいちご、神崎郡の和紅茶、淡路のみかんなど、チョコレートとのマリアージュを楽しめます。
イチゴを使ったチョコソフト以外は芦屋のお店でも買うことができます。他にも限定フレーバーのある百貨店もあるので、お近くのお店の情報をチェックしてみてください。

芦屋のお店ではチョコレートの試食もできますし、併設のカフェはコーヒーにチョコレートが付いてきます。今の季節はホットチョコレートがおすすめ!
ビーントゥバーチョコレートをまだ味わったことのない方はぜひ一度足を運んでみてください。今までのチョコレートの概念が変わるかもしれませんよ。

<ライター 杉本せつこ 北島志保>