阪神間モダニズム
芦屋のレトロモダン建築に魅せられて
2022年7月1日から「兵庫デスティネーションキャンペーン」のプレキャンペーンが始まりました。JR西日本と兵庫県各地で楽しいツアーや体験イベントが企画されていますが、芦屋人では公式コースにはない、芦屋観光におすすめなレトロモダン建築をご紹介します。
阪神間モダニズム
阪神間とは西宮、芦屋、神戸市東灘区あたりを指し、「阪神間モダニズム」は、大正から昭和初期にかけて阪神間で花開いた和洋折衷なスタイルの生活様式や文化などを指します。
芦屋市内には生活と密着した身近な建物が、国指定の文化財として登録されています。そんなレトロモダンな建築物をご紹介します。
芦屋人のYouTubeチャンネル「芦屋LIFEニュース!」では、「Vol.013 兵庫県 神戸と芦屋の絶対おすすめ!観光・お土産スポット」で芦屋の阪神間モダニズム建築と、神戸のおすすめお土産ショップをご紹介しています。ぜひ動画でもご覧ください。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)
近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトの設計で、大正13年に神戸の酒造家、山邑家の住宅として建てられました。2019年にフランク・ロイド・ライトのアメリカにある建築物が世界文化遺産に登録されました。ほぼ建築当初の姿で残っているのは東京・池袋の自由学園明日館と、住宅建築のヨドコウ迎賓館の2件だけで、世界遺産への追加登録が期待されています。
見学することもできるので、大谷石という石を使った外壁や内装、光と影が美しい窓やリビングに廊下、台所のような水回りまでじっくり見ることができます。屋上のバルコニーからは海まで見下ろすことができます。
※入館料500円(一般・大人) イベント開催時や状況により開館日の変更があり、事前予約が必要になる場合があります。
芦屋仏教会館
芦屋仏教会館は奈良ホテルや大阪中之島公会堂など、多くの名建築を手がけた片岡安(かたおかやすし)氏の設計です。
昭和2年に既に免震工法で設計建設され、丁度お堀の形をした船に建物が乗っている構造で、非常に珍しい事例といわれています。この建物は戦火を免れ、阪神大震災にも耐えてきた明治・大正時代の洋風建築と東洋風建築の特徴を折衷した建物で、原型のまま残しており、その美しい姿は伝統の継承の意義を物語っています。
芦屋警察署
昭和2年に建てられたロマネスク様式の建物で、今は使われていない正面玄関の一角が当時の姿のまま残されています。
アーチ型の石積みの中央にはミミズクの彫刻があります。ミミズクは夜行性なので、夜の街を見張っていると言われています。
芦屋モノリス(旧逓信省芦屋別館)
昭和4年に電話交換局として建てられた、国登録有形文化財です。現在はフレンチレストランと、結婚式場として活用されています。
レトロな内装のお部屋でランチをいただくこともできます。夏季には屋上でビアガーデンなども開催されています(※2022年は中止)。
旧松山家住宅松濤館(芦屋市立図書館打出分室)
元々は松山與兵衛氏のお屋敷があった場所で、母屋は昭和20年の阪神大空襲で焼失しましたが、美術品を収蔵していた石造りの建物は残り、今は図書館打出分室となっています。
この建物は、大阪の御堂筋にあった銀行を昭和5年に移築したもので、平成20年には「旧松山家住宅松濤館」として国登録有形文化財に登録されました。小川洋子の小説や、隣の公園の猿を飼っていた檻とともに村上春樹の作品にも書かれています。
このほか、敷地東側の石垣(塀)や打出教育文化センターの日本庭園も松山家のお屋敷の名残で、日本庭園には当時の石造物なども残っています。
芦屋市内にはこんな歴史のある建物が、身近にあり、見に行くことができます。お散歩やサイクリングをしながら観てまわるのがおすすめです。
ライター<杉本せつこ>
ヨドコウ迎賓館
- 兵庫県芦屋市山手町3-10 (GoogleMap)
- 0797-38-1720
- 10:00-16:00
土日・水曜祝日開館
団体(30名以上)水曜日開館 - 月・火・木・金
- 無
財団法人芦屋仏教会館
- 兵庫県芦屋市前田町1-5 (GoogleMap)
- 0797-22-1562
芦屋警察署
- 兵庫県芦屋市公光町6-7 (GoogleMap)
- 0797-23-0110
芦屋モノリス旧逓信省芦屋別館
- 兵庫県芦屋市大桝町5-23 (GoogleMap)
- 0797-38-3355
- 11:30-15:00(L.o.14:00)
18:00-22:30(L.o.21:30) - 土・日・祝・第2水曜
- アリ22台
芦屋市立図書館打出分室旧松山家住宅松濤館
- 兵庫県芦屋市打出小槌町15-9 (GoogleMap)
- 0797-38-7220