美味しく、楽しく、世界を知って日本を学ぶ
潮芦屋交流センター「ワールドフェスタ」
10月27日(日)、南芦屋浜の潮芦屋交流センターで開催された「潮芦屋ワールドフェスタ」の世界のお料理や楽しいイベント内容と、芦屋市国際交流協会の活動の一部をご紹介します。
芦屋市国際交流協会の活動
10月27日(日)、南芦屋浜の潮芦屋交流センターで「第7回 潮芦屋ワールドフェスタ」が開催されました。
潮芦屋交流センターの1階は集会所、2階は国際交流センターとして利用されています。潮芦屋交流センターは芦屋市の国際交流・地域のコミュニケーションの拠点として、2011年4月にオープンしました。芦屋市国際交流協会が管理・運営しています。
今回、全体をご案内いただき、お話を伺ったのは、認定NPO法人「芦屋市国際交流協会」の会長、戸田敬二さんです。
「芦屋市国際交流協会」は、カリフォルニア州モンテベロ市と芦屋市との姉妹都市提携が行われ発足した「芦屋姉妹都市協会」を元に、1993年に発足しました。今年1月には全NPO団体の中でも2%しかない「認定NPO法人」に認定されました。運営・活動が適正で健全である団体にのみに認定され、兵庫県各市の国際交流協会の中でも、これは芦屋だけなんだそうです。
主な活動は、外国人のための華道・茶道などの文化教室や日本語教室、世界のお料理を作る教室、英語・英会話教室、講演会やセミナーの開催など様々。20年以上続けている日本語教室は、講師の研修が年1回以上ありレベルを維持しています。他にも芦屋市が発行する「広報あしや」を国際交流協会のボランティアが抜粋記事を翻訳し、「コスモネット」として毎月発行しています。
このような国際交流協会の活動を、一度に披露できるのが毎年秋の「ワールドフェスタ」なんです。
ワールドフェスタで日本文化を学ぶ
1階にはお茶席が設けられていました。茶道の知識は全くなかったのですが、他にお客様がおらず、イチからレクチャーしていただくことができました。一つ一つの所作に意味があり、季節を楽しむことができる日本の文化なのだと実感。華道・茶道・書道といった外国人のための文化教室も開講しています。
パンにカップケーキ、「作って食べよう世界の料理」コーナー
国際事業委員会の方々は四つ葉の発酵バターを使ったカップケーキや、ローゲンマイヤーのパンの販売・食券の販売、国内事業委員とお料理教室の生徒さんが世界のお料理を作られ、そのお料理を外国人支援委員が会場で販売されています。
月に1回のお料理教室は、タイ料理はタイ領事館のシェフ、エジプト料理はリーガロイヤルのシェフなど、できる限りネイティブの先生にお願いしているので、先生探しが大変なんだそうです。先生のご友人や、そのまたご友人を紹介してもらい、今では60か国・150回も続いています。エジプト料理のシェフは、今回の世界の料理コーナーでもお料理を振舞われていました。
準備に走り回っていたアルバイトの陸さんはハルビン出身。4か国語をマスターした関学の留学生だそう。この日活動されていたスタッフやシェフ、各委員の皆さんがボランティアだということに驚きますが、普段から日本語教室の先生などもボランティアに支えられているとお聞きして、ますます驚くばかりでした。
「世界の料理」コーナーはどれも美味しそうで迷ってしまいますが、せっかくなので普段あまり食べられない国のお料理をメインに選びました。
「ギリシャのムサカ」は元々相性のいい挽肉とナスに、チーズがからむスペシャルな美味しさ!「ラトビアのひき肉クレープ包み」はちょっと甘さのあるクレープ生地に、シンプルなお肉の味わいがぴったり。
「スリランカのパティス」は揚げ餃子で、パリパリの皮にカレーとは少し違うスパイシーな具は初めての味です。「エジプトのコシャリ」はマカロニとひよこ豆の混ぜご飯です。食感は「そば飯」みたい!でも味はエキゾチックなんですよ。
ステージで活動の成果を披露
スペシャルステージは潮芦屋交流センターで練習をしている団体などを中心に、音楽やダンスが披露されます。戸田会長のご挨拶から始まり、売り上げの一部は台風の被災地に義援金として送られる、というお話がありました。
最初は「ハイランドブリーズ」のコーラスから(最初のお写真、下はリハーサル風景)。「小さな木の実」などの合唱をしっとりと歌い上げ、「ベルズウインドオーケストラ」からはクラリネットアンサンブル。ディズニーの曲を中心に「花は咲く」など、息の合った演奏を聴かせてくれました。馬頭琴の演奏はミンガド・ボラグさん。廉価版と、本物の馬皮・馬毛を使った馬頭琴の音比べや、「スーホの白い馬」はモンゴルの民話ではないという興味深いお話、ホーミーのやり方など、演奏以外にも楽しいお話で盛り上がり、息子さんの鍵盤ハーモニカという現代の楽器との合奏は意外にも調和して感動しました。
「芦屋ユナイテッドダイヤモンズ」のチアリーディングは元気な笑顔いっぱいで、本当にチアが大好きなんだと伝わります。「ロゴスダンススクール」のストリートダンスは大人顔負けのキレと迫力がありました。
「潮芦屋ワールドフェスタ」は大盛況のうちに終了!来場者は502名(内、外国人は48名)で、お料理もパンも完売!「作って食べよう」世界の料理教室はいつもワールドフェスタの後で満席になるそうなので、気になる国のお料理教室があればお早めにご予約を!
ワンチームの日本へ
戸田会長が今大切に感じているのは「防災」。海外の方は言葉がわからず、災害時の避難などの情報を理解できません。在住者の中で今増えているのはベトナム人だそうで、英語などの表記があったとしても、必ずしも皆が理解できるわけではないんですね。そんな方たちのためのお知らせは、ひらがなの日本語の方がいい場合も。(芦屋市国際交流協会ホームページ)
国際交流協会では日本文化を知るイベントやバス旅行を開催し、各イベントの後に日本での防災や避難について説明をする機会を設けているそうです。
「今後は『日本』と言っても出身や国籍はいろいろ、という時代が来ます。でもラグビーみたいに、ワンチームになって団結できる。そんな将来が来る時のためのお手伝いをしています」という戸田会長の言葉に、誰にでも住みやすい芦屋の未来を感じることができました。
今後も潮芦屋交流センターでは12月2日(月)の「正月料理」、12月7日のクリスマスジャズコンサートなど、素敵なイベントや教室が盛りだくさんです。潮芦屋交流センターに行って世界に触れてみませんか?
<ライター 杉本せつこ>
芦屋市立潮芦屋交流センター
- 兵庫県芦屋市海洋町7-1 (GoogleMap)
- 0797-25-0511
- 開館時間:午前9時~午後9時30分
窓口受付時間:午前9時~午後5時30分 - 水曜日・年末年始(12月28日~1月4日)
- 23台分あり(1時間無料、以降30分毎100円加算)