2018年3月25日、芦屋神社の鳳輦巡行(ほうれんじゅんこう)が復活します
お稚児さんや時代衣装を身にまとった人々が鳳輦とともに芦屋の街を練り歩く鳳輦巡行。芦屋にも京都の時代祭のようなお祭りがあったんですね。今回、芦屋神社の氏子地域全域で復活する鳳輦巡行について、宮司の山西康司さんにお話をお伺いしました。
芦屋の風物詩だった鳳輦巡行
芦屋神社は旧芦屋村の総鎮守です。そんな芦屋神社の鳳輦巡行とは?初めて聞かれた方も多いかもしれません。
「芦屋神社の鳳輦巡行は、古くから盛大に執り行われていた芦屋神社の秋祭りの行事でした。この日は市民の祝日となっていたほど、芦屋の秋の風物詩として定着していたんです」と山西宮司。そんな賑やかなお祭りがなくなってしまったのは、経済発展に伴い娯楽が多様化したことや、国道43号線の開通などにより交通量が増加して行列の参加者を募ることもままならなくなったという時代背景もあってのこと。昭和40年代後半には休眠状態になってしまったそうです。
それが40年を経た今、芦屋の青年有志が芦屋市の歴史や文化の継承・保護の為にこの祭典を復活させようと動き出し、国の助成金や地域住民の寄付で鳳輦を修復。古い写真や記録を調査して、平成26年3月にはJR芦屋駅の山手で、翌年5月には浜の手で試験曳きをされ、第3回目の今回、ついに芦屋神社氏子地域全域での巡行を実施できることになったのだそう。
見どころをお聞きすると「阿保親王・在原業平公・猿丸太夫らの芦屋にまつわる偉人に扮した人々と、新たに創作した芦屋姫3名を加えた懐古行列が鳳輦とともに練り歩きますよ」とのこと。「芦屋の歴史や文化の護持はもとより、観光資源の一助になればとも考えています」と語る山西宮司は、芦屋の歴史だけではなく、未来も見据えていらっしゃいました。
【詳細】
平成30年3月25日午前10時に神社を出発し、午後5時に帰着予定です。
※コース図 参照参加者は鳳輦行列・懐古行列・稚児行列など延べ400名を想定。(小雨決行)
雨天時は4月1日に規模を縮小して実施いたします。
【連絡先】
鳳輦巡行実行委員会事務局(芦屋神社宮司)
電話0797-34-1833
「芦屋神社」とは
縁結び・産業繁栄・諸難抜除の神、天穂日命(あめのほひのみこと)を主祭神として十七柱もの神々をお祀りされています。神社の創始は不詳ですが、境内には横穴式石室墳や、平安時代の歌人である猿丸大夫の墓所があり、古くから聖地として崇められてきたことが伺えます。
「鳳輦(ほうれん)」とは?
古来より中国の四瑞獣の一つとして尊ばれた瑞鳥の「鳳凰(ほうおう)」を輿の屋根に飾った輦(くるま)のことで、お神輿(みこし)の原型と言われているものなんだそう。
「芦屋姫」とは?
懐古行列に、芦屋にふさわしいお姫様がいたらいいのに…。との思いから誕生したそうです。芦屋市シティプロモーション事業のキャッチコピー「憧れを、日常に」を意識し、ブライダル都市としての魅力発信と芦屋への定住の促進につながるよう、芦屋姫は「芦屋で育ち・芦屋で結婚して・芦屋に暮らす」というコンセプトに。モチーフは色打掛に洋髪の「和婚スタイル」。衣装は大原町のアンテリーベ芦屋本店・朝日ヶ丘町のウエディングテラス芦屋・神戸の三三九度、美容は船戸町のホワイトハウス芦屋店の協力で本格的にドレスアップ!今回は芦屋市在住で国際派の未婚女性、3名が選出されているそうです。行列がより華やかになりそうな芦屋姫。えんむすびの神様、芦屋神社のご利益がありそうですね。
「稚児行列に参加したい!」
大原町から茶屋之町までのコースではまだ数名受け付けられているそうなので、お早目に芦屋神社までお申込みください(2月末締め切り)。一生の思い出になりますよ!対象年齢は2歳~小学校4年生まで。参加費用は貸衣装代として10,000円(おみやげ・集合写真代を含みます)。各自用意するものなど、詳細は芦屋神社へお問い合せください。阪急芦屋川駅から芦屋神社までのコースではもう募集が終了していますが、当日可愛らしいお稚児さんの行列を見るのが今から楽しみです。
芦屋の歴史・文化を守りつつ、新しいことも取り入れて今後の芦屋の発展を願う鳳輦巡行。芦屋市内だけでなく、たくさんの人が見に来てくれるお祭りとして今後も続けていけるよう、皆さんで盛り上げていきたいですね。
芦屋神社
- 兵庫県芦屋市東芦屋町20-3 (GoogleMap)
- 0797-34-1833
<ライター 杉本せつこ>