大人の女性のならいごと。vol.10
香りと戯れる雅(みやび)なお遊び「香道」を体験
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大人の女性のならいごと。vol.10
香りと戯れる雅(みやび)なお遊び「香道」を体験
「香道」とは・・・
日本人が香を知ったのは仏教の伝来の結果と考えられています。 6世紀頃は専ら仏前に焚くものとして使用されており、貴族社会になってからは部屋や衣服に香を焚きしめるようになったそうです。
その後、遊戯性を深め、上流階級の優雅な遊びとして君臨。 室町時代になり、茶道・華道などと共に香道としての芸道が確立され組香としてゲームのように楽しまれるようになりました。 使われる道具類も美しく、日本の伝道芸術の一つとして脚光を浴びています。
香木の種類「六国五味」
香道で使う香木には6種類
(「伽羅(きゃら)」
「羅国(らこく)」
「真南盤(まなばん)」
「真那伽(まなか)」
「左曽羅(さそら)」
「寸聞多羅(すもんたら)」)あり、
それを六国と言います。また異なる匂いを5つの味(「甘・苦・辛・酸・鹹(かん)」)で表現する事から五味。
日本の伝統芸能「香道」を体験!
JR芦屋駅から南へ徒歩5分。サロン ドゥ ラビアンローズさん主催の「香道教室(御家流)」を体験してきました。香道の流派には御家流(おいえりゅう)=公家風と、志野流(しのりゅう)=武家風があります。お教室の少ない香道の中でも御家流を関西で学べる機会は稀少だそうです。とはいえ、アロマやお香には馴染みがあるものの「香道」となると全くの未知の世界。作法も何もわからず「私にもできるのかしら・・」そんな不安をよそに、お教室の雰囲気はとても和やかで、ベテランの方が初心者の方たちにリラックスできるようお声掛けをする姿も。講師は奈良のご自宅や薬師寺にて教室を主催されている香道歴40年の堀井 暁蓉(ほりい ぎょうよう)先生。お着物の先生方やベテラン受講生の皆さん、凛としていて優雅な雰囲気に思わず背筋がピンと伸びるようでした。
いよいよお稽古が始まります・・・「組香」って何?
この日のお稽古は「萬歳香(まんざいこう)」という「君が代」を証歌とした「組香(くみこう)」。香りを記憶して当てるというゲームに言葉遊びの要素が加わる組香は、雅人たちの独特の美意識が育んだ優美な遊びです。同じ香木を使っても、その日のお天気や湿度などにより、香りが変わるという奥深さ。香りを聞く人のその日の体調や置かれている状況、集中力などによっても変わってくるような微妙で繊細なもの・・・
だからこそ面白いのだろうと思いました。一方で集中力を養い、脳を活性化させる要素もあり、年齢を問わず注目の習い事になりそうです。
作法は意外と簡単?!リラックスして、楽しもう。
「本香、焚き始めます。」という先生のお声で、和やかな雰囲気から一転して静寂の中へ・・・。君が代の歌に合わせて名前が付けられた5つの試香の香炉が順番にまわり、最後に本香と言われる香炉が焚かれます。本香と同じ香りのものを先にまわった5つの試香の中から選ぶというもの。
お隣の人から香炉がまわってきたら、左手のひらに載せ、右手を香炉に上から蓋を作るようにかぶせます。右手の親指と人差し指の間に少し隙間を作り、そこから香りを聞きます。一息しては香炉の灰を避けて息を放つ。これを3回繰り返す間に、香りの特徴を覚えます。
ドキドキの結果発表!ご褒美も・・・。
先に名前を書いておいた記録紙に答えを記入します。全員の記録紙が提出されると、香元である先生から正解が発表されます。私は見事に外れましたが(涙)、正解者は3人!その中でも一番上座に座っている人に参加者全員の名前と解答、証歌や綺麗な絵が描かれた記録紙、その日の香木が与えられます。それらを集めることも、「香道」を習う楽しみの一つだそう。
芦屋 サロン ドゥ ラヴィアンローズ
- 兵庫県芦屋市業平町
※詳細はお問い合わせください。 - 0797-31-4073