楽しく真剣に正しい整った字を書こう!
仲間と切磋琢磨する芦屋の書写教室
「子どもにきれいな字を書いてほしい」との思いから、お稽古事としていつも上位にランキングされる“お習字。”キレイな字、褒められる字は、子どもにとって自慢できる特技であり、大きな自信となりますよね。今回は、“お習字”にスポットを当ててみました。
基本をきっちり学ぶ書写のお稽古
小学校で書き方の授業は、硬筆は1年生から、毛筆は3年生から始まります。一般的に「お習字」と言いますが、教科書を見ると「しょしゃ」や「書写」と書いてあります。「書写」と「書道」は違うのでしょうか?実は、「書写」は、文字を正しく整えて読みやすく書くことであり、「書道」は、芸術性を持たせて書くことなんです。高校になってようやく芸術選択として「書道」という授業になるんですね。「個性的」とか「なんとなくいい」という字ではなく、基本の文字をしっかり練習する「書写」は、集中力や注意力が必要です。「書写」の力をつければ、どんな場面でも自信を持って文字を書くことができます。
実は意外にも「書写」のお教室は少ないとのこと。「書道」と「書写」が曖昧になっているのが現実のようです。芦屋市の『alive書写教室』は、書写の世界にどっぷりと魅せられた松井敬子さんが、子どもから大人まで情熱的に指導するお教室です。松井さんは、4歳から書道を学び、8歳で書写と出会い、子ども心に圧倒され、以来、書写漬け生活がスタート。子どもたちを教えるきっかけは、2001年に神戸市のホザナ幼稚園の課外書き方教室を依頼されたこと。開校当初、日本書写書道検定委員会の指導者資格を持ちながらもまだ指導経験が乏しい中で、子どもたちにしっかりと実力をつけさせ、全国コンクールで上位入賞の成果をあげたそうです。翌年より、毛筆を含めたお教室として『alive書写教室』を開校。以来、口コミ人気で知られるところとなっています。
年齢を超えて本気でお稽古!仲間との絆!
松井敬子さんは、幼稚園児向けに楽しくて分かりやすい「文字リズム」を考案。「とめる」「はねる」「はらう」などの文字のお約束を、可愛いアイコンで表し、楽しく理解できて自然と体に入り、整ったひらがなが書けていけます。また、字源に着目することで字への深い理解力を養います。正しい書き順で丁寧に書くことを大切にし、文字の組み立てや応用力を身につくような指導を心がけています。「書を見る目は厳しくありながらも、子どもたちの光るものを褒めていきたい。子どもでも大人でも関係ないですよ。褒められたら嬉しいんです!」と松井さん。よく通る声で快活に笑う松井さんは、誰よりもエネルギッシュでムードメーカーかも?教室では、4歳から高校3年までが一緒にお稽古をしているとのこと。「そんなにバラバラの年代でお稽古できるの?」と思ってしまいますが、和気あいあいと、そして真剣に、年齢を超えて切磋琢磨しているそうです。この空間が落ち着き、自分が自分でいられる場であり、よい関係性が育まれているとのこと。全国大会やコンクールにも積極的に参加し、2016年度は文部科学大臣賞8名、芦屋市芸術文化顕彰15名という快挙!こうした目標のもと、日々努力して、継続して頑張り抜く力は、何事にも通じる力でもありますね。ここでは、年齢に関係なく、それぞれが仲間であり、ライバル。「みんなに負けないようにキレイな字を書くぞ!」「もっと上手になりたい」…と情熱を燃やし、つい遅い時間までお稽古することも多々あるそうです。楽しい時の子どもってすごいパワーを発揮しますよね。そのやる気を引き出す松井先生の本気もスゴイ!今後は、茶道・華道・着付などの和事のお稽古との融合イベント「和文化プロジェクト」を年数回企画予定。書写だけでなく、いろいろな和文化を身近に体験できる場として、子どもたちのワクワクが広がっていきそうです!
alive書写教室(アライブ書写教室)
- 兵庫県芦屋市大原町
- 0797-34-6091
〈ライター 長谷川幸子〉