動物の薬について教えてください。動物用の薬とヒト用の薬は違うのでしょうか?
お薬には、人体薬と動物薬があります。もちろん圧倒的に人体薬のほうが多いですし、最近はジェネリックも数多く発売されるようになってきましたからその数は覚えきれないほど多くなっています。動物薬も抗生物質、心臓の薬、動物用のサプリメントなどを中心にこの15年くらいでかなり増えてきましたが、全てをカバーするには全くと言っていいほど足りません。ですから通常私たちが動物たちに処方する薬の大半は人体薬です。また、動物薬は、心臓の薬も抗生物質も人体薬に比較して割高ですので、その効果が同等であれば人体薬を優先して使用される先生もいらっしゃると思います。私自身は動物薬を優先して使用するようにしていますが、治療にあまりにも多種の薬を必要とし、費用がかさむ場合は飼い主さんと相談の上人体薬を使用しています。
ほとんどの人体薬は動物にも使用可能なのですが、動物の種類によっては与えると重篤な副作用を起こすものもあります。犬で大丈夫な薬も猫には使えなかったり、ウサギなどの草食動物などではとくにしっかりとした知識のもとに投薬しないと大変な事態を引き起こすようなものもあります。時々、飼い主さんが“私と同じ病気だから、私の薬を与えた”、というようなお話しを聞くことがありますが、用量に問題がないか、動物に与えていい薬なのか、獣医師に確認してから投薬するようにしましょう。