先日、8歳になるチワワを連れてワクチン接種に動物病院に行ったら、
来院されたときには身体検査のひとつとして必ず聴診をするのですが、表面上元気いっぱいに見えても心臓に雑音を聴取することが時々あります。中年期以降のチワワ、ミニダックス、マルチーズ、シーズーにはとくに多くみられるように思います。先天性の心臓病の場合も雑音は聴取されますが、その多くは幼少期に、元気活発さがない、発育不良などを主訴に来院され病気をみつけることになります。中年期以降に心雑音が見つけられる場合は後天性の心臓疾患のことがほとんどで、なかでも僧帽弁や三尖弁の閉鎖不全症という弁膜症が圧倒的に多くみられます。心雑音をみつけたら、心電図、レントゲン検査、エコー検査をして、どの部位が、どの程度悪いか診断します。治療は進行度合いに応じて内科治療、つまり血管拡張薬、利尿剤などの内服薬を服用することが中心となります。もちろん激しい運動や過剰な塩分を控えることも重要です。ただし、薬を飲んでも、心臓がもとの正常な心臓に戻るというわけではなく、病気の進行を遅らせて、症状を緩和することが主目的となるので、投薬は生涯続けることになります。毎日お薬を飲ませることは大変ですが、投薬開始後は明らかに元気になることが多いですから頑張って続けてあげてほしいと思います。ヒトの場合は弁置換術など重症度に合わせて手術も行われますが、動物の場合はまだまだ現実的ではないですね。
心臓病の症状は、夜中や早朝の咳、散歩中すぐ座りこむなどの運動を嫌がるようになったり、呼吸の状態が悪いなどが挙げられます。
気になる症状がみられたら動物病院で検査をお受けになることをお奨めします。