ヒトの皮膚も犬の皮膚も古くなると剥がれ落ちて下から新しい皮膚が出てきます。通常その脱落する古い皮膚は肉眼では確認できないぐらい小さな皮膚片となってはがれていくのですが、何らかの皮膚の異常によって、大きな皮膚片のままはがれてしまったものがフケということになります。当院でも昨年11月ごろ、ちょうど乾燥時期に入った頃から、特にトイプードルとミニダックスにフケを主訴に来意される方が増えています。ヒトと違って毛が多いですから、よくかき分けて見てみると皮膚がちょうど薄皮がめくれるようになっていることもよくあります。
感染を伴っている場合は、感染を薬や薬用シャンプーでコントロールしますが、やはり治療の中心は保湿や外用剤、そしてサプリメントになります。日頃のケアとして保湿性を高めたシャンプーを用いたあと、必ず保湿剤で仕上げをするようにします。軽度のフケの場合はこれだけで改善しますが、中等度から重度の場合は、セラミドやヒアルロン酸を含む保湿剤を用い、時には脂肪酸やビタミン、ミネラルを含むサプリメントの内服を用います。ここまでやると大体の場合改善がみられますが、健常な皮膚でも古い皮膚から新しい皮膚にかわるのに3～4週間は必要ですから、最低でも1ヶ月は上記のような治療をあきらめずに続けることが必要です。そして良くなってからも一部の治療は継続することをお奨めしています。