6年前にも一度マダニについて書いたことがありますが、予防薬など新しい製品も出てきていますのでアップデートすることにしましょう。
この地域でダニが恐いのは貧血をおこすバベシア症という病気を媒介するからです。ハウスダストマイトと呼ばれる家にいてアレルギーの原因になるダニとは違い、草むらに生息して犬が顔を突っ込んでくるのを待ち受けて寄生します。
予防薬としては、フロントラインなどの背中に数滴垂らすスポットオンタイプのものが複数社から発売されており、ジェネリックを含めてよく使われていますが、薬の内容や効果が少しずつ違うので注意しましょう。レボリューションというスポットオンタイプの薬はノミやフィラリアなどいろんな寄生虫に効果がみられますがマダニには効果がないので、マダニに効く他剤を併用しなければなりません。
2年ほど前からコンフォティスという錠剤タイプの薬も販売されています。スポットオンタイプの場合、週に1回以上シャンプーするとやはり効果が減少するように思います（メーカーは大丈夫といいますが。。。）ので、その場合にはシャンプーの影響を受けない飲み薬がいいかもしれません。
どの製品も1ヶ月に1回の投薬になります。予防期間は場所によりますが、春から年内いっぱいをお奨めしています。ただし、真冬でもマダニが寄生した例を何例も診ていますので、とくに山の方にお住まいのかたは注意しましょう。

余談ですが、最近ヒトで死亡例が報告されている重症熱性血小板減少症候群はマダニが媒介する病気ですが、今のところ犬で感染、発病したという報告はないようです。

今年はダニの被害が多いように思います。予防をしていてもマダニがついていることもありました。マダニの多そうな場所、山や草むらに行く機会の多い方は違うタイプの2種類の薬を併用するのもいいかもしれませんね。かかりつけの先生にご相談ください。