新春特集
芦屋の文学館を訪ねて。
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新春特集
芦屋の文学館を訪ねて。

芦屋にある谷崎潤一郎記念館、虚子記念文学館、富田砕花旧居の3つの文学館をご紹介いたします。
文豪達の息遣いが、感じられるひとときをどうぞ・・・。

■虚子記念文学館

高浜虚子の孫にあたる稲畑汀子さんの自宅横に2000年に建てられた『虚子記念文学館』。1Fに受付があり、2Fにあがると常設展示室と企画展示室があります。常設展示では、虚子の幼い頃から晩年について展示されており、自筆の句や有名な弟子達の作品、愛用のメガネなどを見ることができます。企画展示は半年ごとに企画され、取材時は能を愛した虚子の側面にスポットライトをあて「虚子と能楽」というコンセンプトで展示されていました。また、図書室には数え切れない俳句の専門書や、昔の俳句の雑誌などがあったそうなので、俳句好きの方にはおすすめです。
B1Fの貸しスペースで俳句の教室が行われたり、駅から吟行(俳句を読みながら歩くこと)して来館し、仲間と俳句を楽しまれる方もいるとか。またお茶を飲みながらくつろげる談話室もあり、ここでは誰でも投句箱に投句できるので、皆さんも気軽に一句投じてみてはいかがでしょうか。
季節の草花が植えられている中庭や館からB1Fに通じる通路には、虚子の師匠でもある正岡子規、門下の双璧と呼ばれた河東碧悟桐、虚子の家を訪れることもあった夏目漱石の句とともに、現代の方の句が一緒にタイルで飾られています。現在1000枚程度で、今後も増え続けていくそうです。

  • 虚子記念文学館

虚子記念文学館

  • 兵庫県芦屋市平田町8-22 (GoogleMap)
  • 0797-21-1036
  • 10:00-17:00(入館は16:30まで)
  • 月曜・祝日の翌日・年末年始

■谷崎潤一郎記念館

谷崎潤一郎の好んだ数奇屋風の邸宅をイメージした館には、谷崎潤一郎が愛用していた机、硯、筆、美術品など様々な資料が展示されていて、当時の書簡には書いた本人の息遣いも感じられます。特に庭園は美しく、最後の京都の住まいの庭を模した日本庭園となっています。
また、文学館講座では、絵手紙講座、季語から始める俳句レッスン、物語に出てくる食べ物を通して物語を読む講座、マナー教室、スケッチ講座、源氏物語の原点を読む講座などバラエティあふれる様々な講座が開講されています。 静かな環境の中、新しい趣味を始めてみるのもいいですね。

芦屋市立谷崎潤一郎記念館

  • 兵庫県芦屋市伊勢町12-15 (GoogleMap)
  • 0797-23-5852
  • 10:00-17:00(入館は16:30まで)
  • 月曜日(祝日の場合、翌日)
    年末年始(12月28日~1月4日)
    展示入れ替え等の期間
  • 図書館併設の駐車場を利用可

■富田砕花旧居

毎週水曜日と日曜日に無料開放されるこちらの富田砕花旧居は、富田砕花が住む少し前の昭和9年から11年まで谷崎潤一郎が居住したことでも知られてい ます。
戦災によって門屋一棟を残して母屋が全焼したので、現存しているのは戦災を免れた旧書斎と戦後建設された母屋となっています。

富田砕花は、校歌や市町歌をおおく作詞しており、多彩な文化的業績から“兵庫県文化の父”と呼ばれています。市内の宮川小学校、岩園小学校、精道中学校などの校歌作詞も手掛けており、今も芦屋市民には馴染みの深い方ですね。

  • 富田砕花旧居

芦屋市立富田砕花旧居

  • 兵庫県芦屋市宮川町4-12 (GoogleMap)
  • 0797-38-5432
  • 10:00~16:00(入館は15:00まで)
  • 水曜日及び日曜日(ただし、8月13日~19日、12月25日~1月4日を除く)