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芦屋人たちの軌跡 スペシャルゲスト・インタビューVol.6
(テキスト記事はこちらからご覧ください。)

芦屋在住 吉川艶子さん(よしかわ・つやこ)~後編~

後編では、エレガントで魅力的な街「芦屋」で、暮らしてこられた吉川さんが女性がいつまでも輝き続ける秘訣を学びます。

エレガントな街、「芦屋」。行きかう人々、特に美しい女性が 魅力的な街。その中で、いわゆる「阪神間のお嬢様」として 幼少期を送り、今なお輝き続ける吉川艶子さん(79)。
後編では、大人になられた頃から、現在の姿を通して、女性 がいつまでも輝き続ける秘訣を探っていきたいと思います。

―ご結婚されてからは、どんなふうにお過ごしでしたか。

「私も苦労したんですよ。お見合いで結婚したんですが、一年 で名古屋へ転勤になったんです。人の家の2階を社宅で借り て住んでたんですが、水道はなくて井戸水、ガスもないし。
夕食の時間になると、豚がブーブー鳴くし、必ず下の家の子 どもが上がってきて、卵焼きなどを焼いていると、じーっと見 たりしてね。もう、イヤでイヤで。だけど、若いというのはいい ことですね、やってのけたんですから。

でも、そのうち主人の方が根をあげて、小さい小さいですが、 家を買って引っ越しました。でもまた本社に転勤になって、奈 良に移りました。また、ねずみが走るような汚い家でしたの。
そこでずっと暮らして、子供たちが結婚してから、私の母がす っかり弱っていたので、両親と一緒に暮らすことになったんで す。それで、やっと芦屋に帰って来ることができました。」

―ご苦労もされたんですね。
 奈良にいらっしゃる頃のお話をお聞かせください。

「私は親に『女子供はだまって、勉強なんてしなくていい』と、ま るでお人形みたいに育てられたんですね。だから、自分が子育て する番になって、『子供には自主性を持たせて育てなければならな い』と言われて、『自主性って何?!』って(笑)。そこで、カウン セリングの講義を聞いて、『あ、これが自主性か』って初めてわか ったんです。自主性を伸ばしてやることが、カウンセリングですか らね。それで、カウンセリングの勉強をしたいと思って、2年間、 関西カウンセリングセンターで勉強しました。勉強はそれはもう大 変でしたが、なんとか修了して、その後は、1972年から1992年 までの20年間、非常勤嘱託として、週2回、大阪府下の児童 相談所に勤めました。東山先生(現・京都大学)のグループが チームを組んで、子供5人にセラピスト2人がつくんです。私は、 母親のグループカウンセラーになりました。本当にいろんな家庭が あって、子どもの問題も程度が幅広くてね。『家庭のレベルは問題 ではない』ということを学びました。それはそれはものすごく勉強し ましたよ。講義にミーティング、勉強するべき時期にしてこなかった ものですから、みんな社会に出てからの経験で、悲壮でしたね。
フロイドやユングみたいな難しい本も読みました。教育分析も受け ましたよ。」

―わぁ、それはまたすごいご経験ですね!

「ほんとにね、『なんであんたが?』なんて冷やかされたりしましたけど。うふふふ…」それにしても、いくら「知らないから」といえ、こんな難しいテーマを専門的に勉強してみよう、という姿勢に感服してしまいます。

―その後、芦屋へ戻っていらしたんですね。

「ええ。好きだったカメラをやろうと、1993年に『芦屋カメラクラブ』に入 会したんですが、その2年後の阪神大震災で家が全壊したんです。 私は家の下敷きになって、身動きが取れませんでした。でも、『吉川 艶子、よく一生懸命生きてきたなぁ。悔いはない』って、ちっとも悲しく も怖くもなかったんです。神様が『もうこれでいい』とおっしゃってるよ うな気がしました。一つ一つ意識が遠のいて、痛さも無くなり、でも耳 だけ聞こえてるんですね。そしたら、主人が『助けてくれ!』と叫んで るのが聞こえて、『まだ助かるかも!がんばろう!死んだらあかん!』 と思い直したんです。気付いた近所の高校生が引っ張り出して助け てくれました。首が伸びて、右手がぶらぶらになってました。首の痛 みで数年間苦労しましたが、地震でやめていたカメラを、友だちから、 『またやってみたら?』と誘ってもらって、どうせ拾った命、なんでもや ってみよう、と思って再開したんです」

―壮絶なご経験をなさったんですね…。

「神様が『まだ貴方は、し残していることがあるよ』とおっしゃったんや、 と思います。生かされてるんやから。生きる力、上っ面はどうでもいい、 本当の意味の喜びを知ったんですね。それで、『人の役に立つような ことをしたい』って強く思いました」その後、ヨーロッパや中東・アジア 諸国へ撮影旅行に出かけ、撮りためたものを編集して、2004年に写 真集『Life 再出発そして感謝の気持ちをこめて…』を出版されました。
「たくさんの人から、励まされて、助けてもらったから再出発できた、 その感謝の気持ちを捧げたいと思って、出版しました。私の写真集を 見て、感動してくれたら嬉しい。元気をわけることができて、人の役に 立てたことが実感できるのが何よりの喜びです。」

他にも、震災前より、母校甲南女子学園の同窓会会長や学園理事等の役職 を2000年まで務めてきた吉川さん。International Trading in Communication (ITC)に所属し、今でもスピーチの勉強を続けておられます。「主人は『何でも 引き受けよる』って言いますけど、生かされてるんやから。人の役に立つような ことをしたい、って思います。写真も続けていきたいと思ってます。まあでも今 は、人の役に立つことより、人の迷惑にならんように、子供たちの邪魔になら んように、って思うようになりましたけど。うふふふ…」
茶目っ気たっぷりに笑う吉川さん。恵まれた幼少期から、水害、空襲、震災と 度重なる苦難を乗り越えて、今なお前向きに、でも自然に、歩き続けていらっ しゃいます。その姿からは、ひたむきで素直ゆえの強さと勇気、それゆえの女 性の可愛らしさが溢れています。そして、人に対する感謝の気持ち、人の役 に立ちたいという思いが原動力となり、輝き続けておられるのでしょう。

もちろんおしゃれも大好きとのこと。「ブランドには憧れませんけどね」
―いえ、吉川さん自身がブランド。歴史あり、新鮮さあり、人を惹きつけてやま ない、いつまでも錆びない女性。思いがけないような様々な出来事がハイスピ ードで起こる現代、迷ったり不安に思ったりしがちな日常ですが、芦屋にはこ んな素晴らしい女性の先輩がいらっしゃること、心強い限りです。

※掲載している情報は、2007.09.20の情報です。
 そのため記載内容が、最新のものと異なる場合があります。

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