芦屋人たちの軌跡 スペシャルゲスト・インタビューVol.4
(テキスト記事はこちらからご覧ください。)



六甲味噌製造所 社長 長谷川憲司氏(はせがわ・けんじ)
「大事なんはコミュニケーション。人でも、食でも、遊びでも」
六甲味噌製造所 長谷川社長直撃インタビュー!
日本の家庭に必ず常備されているお味噌。
皆さんはどんなお味噌を使っていますか?そのお味噌を気に入って いますか?日常的に口にするお味噌だからこそ、 安全で美味しいものを選びたいですね。
大正7年創業、芦屋に移り60年余り。
今回は、食の激戦区芦屋でお味噌を作られている六甲味噌製造所の長谷川社長にインタビューをしてきました。
◆実力と人気は、いまや全国区
「大正7年に初代が神戸で味噌業を創業しました。 その後、昭和13年の阪神大水害を何とか乗り切るものの、 店舗焼失のため昭和20年に現在の芦屋に移り再スタートを切りました。 しかし、その後も阪神大震災にて工場が全壊になる等、 『六甲味噌製造所』の今に至るまでは簡単なものではありませんでした」 とこれまでの紆余曲折の 歴史を語る長谷川社長。
3代目の長谷川憲司社長自ら、国内外で良質な原材料を買い付けてくるこだわりの味噌。 その実力は、全国味噌鑑平会で「手造のあじ」が名誉審査賞受賞、 「赤だし味噌」が食糧庁長官賞を受賞し、全国に認められています。 これまで、『細雪』(谷崎潤一郎著)の「こいさん」モデル鴨川信子さん監修の「細雪味だより」、 丹波産丹波黒大豆を使用した「黒大豆味噌」、 また原材料にこだわりのある予約販売のみの完熟味噌など様々な商品を発売してきました。
「味の決め手になる糀作りにおいては、細心の注意を払い、製糀室内の温度や品温(温度)を手作業で管理しています」 と長谷川社長。 食品会社、有名ホテル、レストランなどが主な取引先ですが、美味しいお味噌を求める顧客は、 地元芦屋にとどまらず、いまや全国各地から注文が入ります。
◆日本の食のこと
最近食の安全についてのニュースが取り上げられていますが、 こちら『六甲味噌製造所』では工場見学を実施し、 一般の顧客に対して原材料・作り方・熟成の様子等をオープンにしています。
「私は製造者として期限の切れたものは一切使いませんが、皆さんの立場で、一消費者として質問します。 商品の期限が切れたものを皆さんはどうしますか?食べますか?捨てますか? ただ書いてある数字にのみ頼って、期限を1秒越えたら気持ち悪がったり、 腐っていると思って捨ててしまう方が多いのではないでしょうか。 保存方法を間違った場合等、見た目に変化があったり匂ってみて臭かったり、 変に酸っぱいと感じたときは食べてはいけません。 この様に腐ったものを見極める力をつけなければなりません。 特に子どもたちは、安全すぎるものしか見たことがないのではないでしょうか。 目や鼻・舌などの五感を使って、自分で判断する力を養わなければなりません」 乱れる日本の食文化を危惧する長谷川社長。 米を主食にして、肉・魚・海草・野菜など旬のものをたくさん取り入れた日本食のよさ、 特に朝食をしっかり取り、三食バランス良く摂取する生活を、子どもを中心とした若い世代に伝えていきたいと強く感じているようです。
「お味噌汁の味噌ですが、夏と冬と変えてみるといいですよ。 夏は暑いからしょっぱい赤味噌を多めにして白味噌を少し入れ、 反対に冬はあま―い白味噌多めに赤味噌を少し入れる。 その季節の冷蔵庫にある余った野菜を具にしてみてください。 頑張って『味噌汁でございます』みたいなものを作らないで、あるもので作ったらええんですよ」 ご自身の一番好きなお味噌汁は、玉ねぎと溶き卵のお味噌汁だそう。
六甲味噌さんのフリーズドライのお味噌汁の具にもなっています。
一度ご賞味あれ!
◆「大事なのはコミュニケーション。人でも、食でも、遊びでも」
広島・岡山・香川・徳島・兵庫の長谷川社長を含む5人の味噌屋社長さんたちで、 味噌や会社、これからの食について熱く語る会を定期的に開催しているそうです。
「ほとんど味噌のことばかり話しています。5人集まると話がつきません。 失敗談はお互いのためになるし、切磋琢磨できて刺激的ですね」仲間と、 その季節に、その土地でしか食べられないものを食べることも楽しみの一つだそうです。
また、休日は白浜に日帰りで行くほどのダイビング好きとか。 「15年位前に石垣島や宮古島で体験ダイビングをしたのがきっかけで、 今も、週末は白浜に日帰りで行きますね。一人で車を走らせることも多いです。 向こうへ行って、2本潜ってトンボ帰りです。疲れ?無いですね。 家で横になってゴロゴロするのは年に1~2回くらいですね(笑)。 よー遊んでますわー」イキイキとした長谷川社長の表情からは、 仕事も遊びも充実していることがうかがえます。
よいお味噌ができるためには、よい材料が必要なのは言うまでもありませんが、 長谷川社長のように信念を持った熱い経営者が必要だと確信しました。 黒帯(6/15付)で六甲味噌製造所の工場見学を紹介していますので、 お時間のある方はぜひ生の長谷川社長に会いに行きましょう!
日本の食文化を支えていく一企業・一個人として、フレンチとのコラボをはかるなど 長谷川社長の『みそストーリー』にますます目が離せません。
(有)六甲味噌製造所
- 兵庫県芦屋市楠町11-16 (GoogleMap)
- 0797-32-6111
- 9:00~17:00
- 土曜(夏季シーズン)、日曜、祝日
- 3台(自店)
※掲載している情報は、2007.05.17の情報です。
そのため記載内容が、最新のものと異なる場合があります。
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