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CUBE

もし貴方が朝、目覚めたときに、見たことも無い部屋に居たら?しかも、その部屋は完全な立方体で、四方の壁と床、そして天井の6個所に扉があるのです。扉を開くと、そこには全く同じ間取りの部屋が延々と続いているのです。苛立つ気持ちはわかりますが迂闊に動いてはいけません。いくつかの部屋には、恐ろしい殺人トラップが仕掛けられているのですから。今回、ご紹介する「CUBE」はそんな状況で始まります。

年齢も職業も違う6人の男女。彼らは目覚めたら奇妙な立方体の部屋に閉じ込められていました。部屋には6箇所の扉がありますが、どの扉を開けても同じ間取りの部屋が…。「誰が何のために?」「なぜ自分が?」様々な謎を抱えながら、極限状態の中、彼らはなんとか脱出しようとするのですが…。
本作では、始まった途端に、次々に「謎」が観客に提示されます。「誰が何のためにこの部屋を作ったのか」「なぜ、彼らが集められたのか」「どうすれば脱出できるのか」「トラップのある部屋を見分けるにはどうすれば良いのか」といった様々な「謎」を登場人物と共に推理していくうちに、どんどん映画の中に引き込まれていきます。さらに登場人物が極限状態の中で、徐々に追い込まれて精神を狂わせていく様は異様な怖さです。それぞれの人物の余裕が徐々になくなり、仮面を剥がすように本性が現れて敵対していく様子と、奇妙な立方体の部屋の謎があいまって、格別の緊張感と恐怖を創りだしています。

本作はほぼ全編が、この奇妙な立法体の部屋の中で進行する、いわゆる「ワンセット」ものです。監督のヴィンテェンゾ・ナタリは制約の多い「ワンセット」ものでありながら、独自の視点と発想で最高の恐怖を演出しています。力量のある監督は、お金をかけなくても素晴らしい映画を撮るんだと、改めて納得させられました。こうした「ワンセット」ものでは、役者の演技力がモロに問われるわけですが、モーリス・ウィントをはじめ出演陣も、極限状況下で変質していく人間の姿を好演しています。

さて、ネタばらしになるかもしれませんが、本作では様々な「謎」の全てが解き明かされるわけではありません。この結末には賛否両論あるかと思いますが、私は「謎」は「謎」のままで良いのではないかと思います。
相手の意図や自分の置かれた状況などが「わからない」というのは、少なからず、私たちを不安にし恐怖感を与えるもので、全ての謎が解き明かされては、せっかくの恐怖感が薄れてしまうのではないかと思うのです。よくホラー映画の続編を「前作以上の恐怖!」と宣伝していますが、なかなかそんな続編にはお目にかかれません。これは前作での謎に対して、回答を示す続編が多いことが原因なのではないかと思います。

というわけで、「すっきりしたい」という方には本作はお勧めできません。
ただ、もし貴方が上質の緊張感と恐怖を味わいたいなら、本作はうってつけの一本だと思います。きっと御満足していただけるはずです。

CINEMA DATA

1997年制作

【配給】トライマーク
【監督】ヴィンテェンゾ・ナタリ
【出演】モーリス・ティーン・ウィント
ニコール・デボアー
デヴィット・ヒューレット 他

ポニー・キャニオン(株)よりDVD発売中

©Eiga-zaru 2004-2018

※掲載している情報は、2007.04.01の情報です。
 そのため記載内容が、最新のものと異なる場合があります。

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