モンスターズ・インク

ディズニーとPixerのコンビは「トイ・ストーリー」を始め、数々の優れたCGアニメーションを創りだしてきました。どれも皆、個性的なキャラクター達とハートウォーミングなストーリーで、子供から大人まで楽しめるものになっていますが、敢えてこの中から一本、お勧めを選ぶとするならば、私はこの「モンスターズ・インク」を選びます。
モンスター達の住むモンスターシティ。この街のエネルギー源はなんと子供の悲鳴。エネルギー獲得のため、日夜モンスター達はクローゼットから子供の部屋に現れ、子供達を脅かしているのです。中でもサリーとマイクのコンビは最高の成績を上げていましたが、一人の小さな女の子がモンスターシティに迷い込んだことから、とんでもない大騒動に巻き込まれていきます。
本作も他のPixer作品同様、とても個性的なキャラクター達がたくさん出てきます。ふさふさした青い毛で全身を覆われた大きなサリー、一つ目の(というか目玉に手足がついたような)マイク。主人公の二人からしてこんな風貌ですから、他のキャラクターも普通ではありません。髪の毛が蛇になっているセリア、カニのような下半身を持つ社長など実に個性的。こうして文章にすると不気味なのですが、どのキャラクターも愛嬌があってユーモラスです。しかしなんといっても人間の少女ブゥが素晴らしい。自然で子供らしいしぐさや表情には驚かされます。またストーリーも主人公の二人(二匹?)のモンスターと少女との交流を軸に目の離せない展開で、気持ちのいいエンターテインメントに仕上がっていると思います。
本作も他のPixer作品と同様、声優陣が実に豪華です。主人公の二人(二匹?)にジョン・グッドマンとビリー・クリスタル。さらにジェームズ・コバーン(スパイ大作戦で有名。煙草のラークの宣伝で有名っていうと歳がバレますかね)が社長役で渋い声を披露しています。本作は特に日本語版の声優がハマリ役です。ホンジャマカの石塚英彦、爆笑問題の田中裕二が主役コンビを演じていて息のあった会話で楽しませてくれます。特にマイク役の田中裕二が実にピッタリ。特殊な声の持ち主だけに特殊なキャラクターによく合うんでしょうか(笑)。
さて、Pixer作品といえば、スタッフロールで流れるNG集にも触れねばならないでしょう。もちろんCGアニメですから実際に役者の演じる映画と違ってNGが発生することは無いわけで、全てこのNG集のために作成されて(それもおそらくは結構な手間と時間をかけて)いるわけです。毎回、これが楽しみというファンの方もいることかと思います。本作ではナメクジのような老婆のモンスター、ロズがいい味を出しています。こうした遊び心に溢れたスタッフだからこそ、こんな楽しい映画を作れるのかもしれませんね。
本作は個性的なキャラクターといい、友情を軸にしたストーリーといい、実にPixer作品らしい一本だと思います。そういうわけで、今までPixer作品を観ていなくて、これから観てみようという方には本作から始められるのが良いのではないでしょうか。
CINEMA DATA
2002年制作
【配給】 | ウォルトディズニーピクチャー |
---|---|
【製作総指揮】 | ジョン・ラセター |
【監督】 | ピート・ドクター |
【声の出演】 | ジョン・グッドマン |
ビリー・クリスタル 他 |
ブエナ ビスタホームエンターテイメントよりDVD発売中
©Eiga-zaru 2004-2018
※掲載している情報は、2006.09.01の情報です。
そのため記載内容が、最新のものと異なる場合があります。
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