知人の犬が甲状腺ホルモンの病気にかかったそうです。うちの犬も似たような症状なので、」一度病院に行った方がいいでしょうか?
甲状腺ホルモンの病気ということですが、犬の場合のほとんどは甲状腺ホルモンが不足する甲状腺機能低下症ですので、この病気についてお話しします。
甲状腺はヒトもイヌもちょうど喉のところにある小さな組織です。極端に腫れたり、腫瘍化しないかぎり触ってもどこにあるのかわからないぐらい小さなものです。その甲状腺から分泌されるホルモンは、様々な臓器に作用するので病気でホルモンが出なくなると様々な症状を示すことになります。最近なんか元気がないなぁ、活発さがなくなった、食べているけど以前のようにガツガツ食べない、寝てる時間が多くぽっちゃり太った、寒さに弱く震える、毛並みが悪くなり特に尾の脱毛がみられ、皮膚の病気になりやすくなった、などがよくみられる症状です。一応食べてるし、吐いたり下痢したりもしないし、痛がる様子もないしで、ついつい年いったらこんなものかなと見逃しがちです。血液検査をしてみるとコレステロールや中性脂肪が高く、経度の貧血もみられます。これらの症状をそのままにしてしまうと、皮膚はボロボロになり、ほとんど動けなくなって、神経症状を示したり発作をおこしたりするようになります。
シェルティやラブラドール、ゴールデンに多いですね。プードルやマルチーズにも見られます。
診断は血液検査で甲状腺ホルモンを測定します。
治療はホルモン剤を毎日与えることになります。病状によりますが数週間で症状のほとんどが改善します。活発になり、毛も生えてきます。治療を止めるとほとんどの場合、また同じような症状を示すようになるので続ける必要があります。
数か月毎にホルモン値を測定し、現在の治療つまりお薬に量が正しい範囲かどうかみるといいと思います。