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刑事弁護人の職務

山口県光市の母子殺害事件を巡って、タレント弁護士として有名なH弁護士が、テレビで弁護団に対して懲戒請求を呼びかけたため、4000件を超える懲戒請求が殺到し、それに対抗して、弁護団のうち4名がH弁護士に業務妨害等を理由として、計1200万円の損害賠償請求訴訟を起こしています。H弁護士が呼びかけた理由は、もともとのテレビでの発言内容を聞く限り、弁護団の主張が「あんまりだ」ということのように思えます。

しかし、刑事弁護での主張が、「あんまりだ」ということで懲戒を申し立てられたのでは、「たまったものではない」、というのが率直な感想です。被疑者・被告人が「あんまりだ」というようなことを主張することはよくあり、それに対して、弁護士が問いただしても、被疑者・被告人が、「嘘ではない」と言い張る限り、「嘘だ」と決めつけて弁護士が勝手に世間の常識に合うような主張をするわけにはいかないからです。そのようなことをやれば、それこそ懲戒処分を受けることになります。たとえ世間の理解が得られなくても、弁護士は被疑者・被告人の意向に最終的に反することはできないのです。
H弁護士は、その後の記者会見で、懲戒の理由について、弁護方針について世間の納得を得られるような説明責任を果たさなかった、と主張を変更しましたが、これもまた「たまったものではない」と感じます。弁護士は守秘義務を負っており、事件内容を漏らせば、これもまた懲戒処分を受けることになります。依頼者の利益に適う場合だけ、依頼者の許可のもとに、記者会見などが行えるだけです。だから世間に対する説明責任などありません。それに世間に説明しても、やはり納得してもらえず、相変わらず「あんまりだ」と思われてしまう場合はどうしたらいいんでしょ?
あっちを向いても、こっちを向いても懲戒請求・・・。ふうー・・・。

よく私も「なぜ、弁護士は悪いことをやった人の弁護をやるの?正義の味方じゃないの?」と質問されるのですが、被疑者・被告人の弁護を誰かがやらない限り、裁判を進めることはできません。刑事弁護人の正義とは、被疑者・被告人に適正手続を受けさせることにあり、「悪」を守ることではないんですけどね。
それでも、やはり世間からは、どうしても悪人の味方というふうに見られてしまうんですね。まあ、ここのところの正確な理解を世間にしてもらうのはなかなか難しいんですけど・・・。
刑事弁護人の仕事って、孤独で辛いことが多いんですよね。今回のことを契機に、刑事弁護をやろうとする弁護士がいなくなってしまわないように願うばかりです。
いずれにせよ、本来の刑事事件の場外乱闘騒ぎが起きることはあまり良いことではありませんね。

※掲載している情報は、2007.10.01の情報です。
 そのため記載内容が、最新のものと異なる場合があります。

弁護士:
木村 雅史(きむら まさし)

木村雅史法律事務所 代表

昭和40年7月2日生まれの気さくな弁護士先生。明るく温和な雰囲気と真摯に問題に取り組む姿勢はごくプライベートな問題を安心して任せられます。

<過去に取り扱った案件等>
刑事事件(少年非行事件含む)も扱いますし、また民事一般・・・金融・債権回収、不動産、建設、相続、交通事故その他損害賠償、倒産処理(クレサラ問題含む)も扱っています。離婚等も多いです。特殊な事件ですと児童虐待事件などの取扱い経歴もあり。
まずはご相談下さい。

主な経歴
昭和59年3月兵庫県立明石北高等学校卒業
昭和60年4月京都大学法学部入学
平成2年司法試験合格
平成3年3月京都大学法学部卒業
平成3年4月司法修習生就任
平成5年4月弁護士登録(大阪弁護士会)
平成11年4月木村雅史法律事務所開業
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