春爛漫 時代を超え美しさを伝える『ヨドコウ迎賓館』の有職雛人形
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春爛漫 時代を超え美しさを伝える『ヨドコウ迎賓館』の有職雛人形

今年も、『ヨドコウ迎賓館』の雛人形展が4月6日(日)まで開催されています。
山邑家 雛子さまの幸せを願って100年以上も前に誂えられたお雛様たちの優雅な面持ち。
時が経つのを忘れてしまいそうです。

時代を越え、時を刻む『ヨドコウ迎賓館』

芦屋川沿い、開森橋近くの緩やかな丘に沿うように建つヨドコウ迎賓館。
フランク・ロイド・ライト氏が旧帝国ホテル設計のために来日の際、 山邑家(灘の櫻正宗 8代目 山邑太左衛門)の依頼を受けて、1918年に別邸として設計した建物です。
1974年に国の重要文化財の指定を受け、1989年から一般公開。 老朽化・阪神大震災などのため、二度にわたる修復工事を経て、現在その美しい姿を四季を通じて見せてくれています。

約90年ぶりに里帰りした雛人形

毎年、雛祭りの時期(2月上旬~4月上旬)に開催される『有職雛人形特別展示』には、 女性グループ、建築を勉強する学生など年代を問わず全国各地から1日160~300人の観光客が訪れるそうです。 取材の際も、「奈良から来ました」と50代の素敵な女性の方が話しかけてくれました。
展示されているのは、有職雛様式の「雛人形」、花嫁姿の人形や漆塗りの嫁入り調度品一式の「花嫁人形」、17体の人形で花見の宴を写した「花観人形」の人形33体。
これらの人形は『ヨドコウ迎賓館』(旧 山邑家住宅)の建築主である山邑太左衛門氏が長女 雛子さんの誕生を祝って用意したもので、 雛子さんの娘 節子さんに受け継がれた後、約90年振りに山邑家ゆかりの『ヨドコウ迎賓館』に里帰りし、雛祭りの時期に一般公開されています。
「平成4年から一般公開をしています。震災のお休み(4年)をはさんで今年で13回目です」と柴田直義館長。 「展示以外の時期には、保存状態を悪くしないために温度・湿度に気をつけて管理しています」と話してくれました。

100年以上前のものとは思えないほどの艶やかさ・優雅さ

こちらの雛人形は、京都の老舗人形店『丸平』の三代目大木平蔵が2年の歳月を掛け制作したもので、 気品に満ちた柔和で古典的な造りの顔立ちです。
人形の高さは45cmと雛人形としてはかなり大きく、人形一体一体にそれぞれ存在感があります。
「花観人形」の中には、元服前の子どもや白髪まじりの老女の人形などもいて、 当時の様子が忠実・丁寧に人形に取り込まれています。 制作されてから100年以上の歳月を経た今も、優雅な顔立ち、豪華な衣装、 細部にこだわった調度品など時代を超えた美しさで見る人の心を魅了しています。
「こちらに来られたら、ゆっくり館内を見ていただきたいです。 応接室では座って歓談できますし、屋上からは芦屋の街を一望できます。 また近くには、美味しくて素敵なお店もありますよ」と柴田館長。
屋上から芦屋川の桜を愛でるもよし、3階のビデオ室でライトのビデオを見るもよし、 自然をモチーフにした幾何学的な模様を探すもよし、それぞれの楽しみ方ができます。
ゆっくり歴史を感じる・・・芦屋でそんな一日もいいものです。

ヨドコウ迎賓館 2008年 雛人形特別展示開催

期間:2008年2月9日(土)~4月6日(日)
休館日:月・木(雛人形展期間中)
2月11日(祝)3月3日(月)3月20日(祝)は開館
開館時間:10時~16時(入館は15時半まで)
入館料:大人/500円、小・中・高校生/200円
住所:兵庫県芦屋市山手町3-10
アクセス:阪急芦屋川から徒歩10分、JR芦屋駅から徒歩15分
駐車場:数台有
<お問い合わせ先>
淀川製鋼所広報課 TEL:06-6245-9103
ヨドコウ迎賓館 TEL:0797-38-1720
※団体(30名様以上)は、事前にお申し込みくださいとのこと。

ヨドコウ迎賓館

  • 兵庫県芦屋市山手町3-10 (GoogleMap)
  • 0797-38-1720
  • 10:00-16:00
    土日・水曜祝日開館
    団体(30名以上)水曜日開館
  • 月・火・木・金