見る&触れる&感じる…貝の博物館で涼しい時間。
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見る&触れる&感じる…貝の博物館で涼しい時間。

潮の香流れる西宮浜にある『西宮市貝類館』。
そこで出会えるのは、美しくユニークな貝の数々。
カンカン照りの外の暑さを忘れて、涼しげな貝の世界を親子で楽しんでみませんか?

つるつる!ゴツゴツ!重い!貝に触ってみよう。

 1999年に開館し、西宮市の小学生が校外学習にも利用する『西宮市貝類館』。ヨットの帆をイメージしたスタイリッシュな外観は、建築家・安藤忠雄氏によるもの。アプローチを抜けてエントランスを入ると、オオシャコガイや多彩な貝でデザインされたモニュメントと波音がお出迎え。館内は、海の色を思わせる爽やかなブルーを基調に、清潔感あふれる明るい空間となっています。
 ここでは、日本貝類学の礎を築いた黒田徳米博士の学術資料を、難しくなく、楽しく美しくオシャレに展示。1フロアながら、約2,000種、5,000点もの貝を鑑賞することができます。ショーケースに入っていなくて手で直接触れる貝もたくさんあり、その重さや感触を実感できるのがユニーク。写真撮影もOKなんです。貝類の祖先は、約5億年前のカンブリア紀で、日本には約8,000種の貝類が存在するそうです。『西宮市貝類館』で、貝類の起源と進化、貝類の分類や生態などの学術的なことはもちろん、感じて触れて一気に貝と友達に!
 さぁ、知られざる貝の世界を探検しましょう。

貝博士黒田徳米博士とは?

淡路島で生まれ、晩年を西宮で過ごした黒田博士(1886 ―1987)。小学校を卒業後、丁稚奉公先で貝類と運命的な出会いをし、貝の世界に魅せられた生物学者。100年の生涯で、陸・淡・海産の貝類約700種もの新種を発表したというからスゴイですね。日本の貝類学の礎を築いた貝博士です。

展示コーナーを見てみよう!

日本の貝、大西洋の貝、インド・太平洋の貝、海に住む貝、池や川に住む淡水の貝など、エリアや環境毎に貝類を展示。ショーケースだけでなく引き出しの中にもたくさんの貝が!もちろん、ケースに入っていない貝は、直接触ることができます。実際にほら貝吹きチャレンジできるほら貝、珍しい貝、色合いが美しい貝など多彩。

“流氷の天使”といわれるクリオネも発見!小さな愛らしい姿に、お母さんも癒されますね。

生きているものも発見!!まずは、約1億5千万年前から姿が変わらず生きる“生きた化石”とも言われる「オウムガイ」です。夜行性なのでびったりと水槽のガラスにひっついていましたが、毎週日曜にはエサやり見学できるそうです。オウムガイが何をどんな風に食べるのか、ぜひ見てみたい!

砂場の中から小さな貝を探すコーナー。見つけた貝を一人10個まで持ち帰れるぞ!

貝を使った飾り物や貝の断片によるスタンプなど、楽しい角度から貝を展示。ショーケースもオシャレ。

都会では簡単に見つからなくなったカタツムリもいっぱいいました。カタツムリは、陸に住む貝なんですね。

身近なところで貝と出会えるかも!?

 貝類館では、貝と親しめる催し物も毎月企画。夏季は回数が多いですが、冬季でも貝を使った工作などを開催しているので、HPなどでご確認ください。貝類を中心に海の生き物に関する図書類も充実しており、館内で座って読むことができます。個人コレクターとして有名な故菊池典男氏(元西宮回生病院長)の貝類コレクションも近々に展示される計画で、今後、さらに収蔵物が充実する予定。
 また、中庭には、海洋冒険家の堀江謙一氏が世界一周に使用したマーメイド4世号が展示され、広い海の世界へ想いを馳せるのもいいですね。
 西宮夙川河口は貴重な自然が残っており、干潟や岩場でカニや貝など、様々な生き物が見られるそうです。今度は、実際に足を運んで、貝探ししてみたくなるかもしれませんね。

西宮市貝類館

  • 兵庫県西宮市西宮浜4-13-4 (GoogleMap)
  • 0798-33-4888
  • 10:00~17:00
    (入館は16:30まで)
  • 水曜(祝日の場合は翌日)・年末年始
    ※但し夏休み期間中は無休

〈ライター 長谷川幸子〉